2017年06月13日インプラント歯科医師

患者さまの多くは事前治療を必要とする

みなさんよくご存じの虫歯や歯周病。

実はインプラント治療の前提として、ほとんどの人にこれらの治療が必要になります。

というのも、例えば歯周病は、40代以上の約8割がかかっていると言われ、実際やまぐち歯科でインプラントを希望される患者さまの多数が、歯周病を患った状態で来院されます。

また、虫歯の患者さまも歯周病に次いで多いです。

インプラント治療を開始する前に行う治療を、事前治療と言います。

虫歯や歯周病以外にも、口腔内に何かトラブルがあれば、まずはその治療を行い、口腔内の環境を整える必要があります。

どうして事前治療が必要なのか

なぜインプラント治療に取りかかる前に、他の疾患を治療しておかなくてはいけないのでしょうか。

それは、事前治療を怠ると、インプラント周囲炎にかかることがあり、そしてその失敗例は大変多いからです。

歯周病にフォーカスして考えてみましょう。

歯周病とは、歯垢の内部で歯周病菌が増殖し、細菌が歯ぐきの組織を破壊する疾患です。

進行すると骨までをも蝕んで溶かし、やがて歯は抜け落ちてしまいます。

さらに歯周病菌は血流により全身に運ばれ、肺炎や心筋梗塞、脳こうそく、関節症などあらゆる疾患の原因を作ります。

つまり、歯周病は単純に歯ぐきが腫れたり出血したりするだけではなく、全身に悪影響を与えるのですね。

一方、歯周病を残したままインプラントを埋めるとどうなるのかというと、細菌が周囲の組織を破壊するために、ぐらついたり、噛み合わせが狂ったりしてしまいます。

これでは、せっかくの治療が台無し。

虫歯やその他疾患の場合でも同じことです。

そのため、治療成功のためには、しっかりと事前治療を行うことが大切なのです。

40歳以上の約8割がかかる歯周病について

やまぐち歯科に来院される患者さまにも多い、歯周病。

この疾患は多発するものの、正しい治療で完治します。

歯周病の症状が中等以上であれば、治療用器具を歯周ポケットの奥まで入れ、歯垢や歯石を取り除きます。

症状がより進んでいる場合には、歯ぐきを切開して、除去を行うのが適切です。

除去した後は、正しい歯磨きを続けることが肝心。

歯周病は歯科医院の治療だけでは治らない疾患です。

歯ぐきが柔らかく、歯磨きの度に出血してしまうような状態でも、ブラッシングを根気強く続けさえすれば、徐々に完治に向かいます。