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セラミックを初めとする保険外の差し歯治療と保険適用の差し歯治療の違い
2018年04月11日審美歯科
差し歯には保険が適用される治療とそうでない治療とがあります。保険適用と適用外の治療はどのように違うのか。また、具体的にそれぞれどういった治療が受けられるのか。差し歯治療を受ける前に知っておくと良い基礎知識をお伝えします。
保険適用と保険外の差し歯の違い
①治療費の違い
保険適用で差し歯治療を行うと、治療費の一部を負担するので済みます。負担の割合は1割~3割で、年齢や収入により変わってきます。また、どの歯科医院で治療を行っても、治療費は概ね同じになるよう決められています。
一方、保険外の差し歯治療だと、治療費の全てを自己負担することとなり、また、病院によって治療費はまちまちです。高額な治療も多く、差し歯1本あたり数万円~10万円以上するものも少なくありません。
②見た目の違い
保険適用の差し歯の素材には主に医療用プラスチック(レジン)が使われ、奥歯には銀が使われます。銀は目立ち、レジンは経年劣化により変色を起こしやすいです。
保険外の差し歯の素材には、セラミックやジルコニアがあり、天然歯のような自然な仕上がりが特徴です。時間が経っても変色しづらい点でも審美性に優れます。
③治療後の保証の有無
保険適用の差し歯治療には、2年間の保証があります。つまり、治療後、万一差し歯が外れてしまっても、2年以内であれば無償で再治療を行ってもらえるのです。
保険適用外の差し歯治療に保証があるか否かは歯科医院によって異なります。一定期間内なら無償で治療に応じてくれる医院もあれば、まったく保証がなく、再度同額の治療費を請求する医院もあります。
保険適用の差し歯治療の種類
保険適用の差し歯治療には、硬質レジンジャケット冠、硬質レジン前装冠、銀歯があります。それぞれどのような特徴を持つのでしょうか。
硬質レジンジャケット冠
医療用のプラスチック、レジンで作った差し歯です。色が白いので、比較的自然に仕上がります。ただし、セラミックで実現できる天然歯のような透明感までは望めず、また汚れやすく、時間が経つと変色しやすい点が短所です。さらに、強度があまりないので、強い圧力がかかる奥歯には使用できません。
硬質レジン前装冠
金属にレジンを貼りつけることで、強度を増した差し歯で、ほとんどの歯で使用が可能です。硬質レジンジャケット冠と同様、仕上がりはセラミックに劣り、汚れがつきやすく、経年劣化による変色は否めません。また金属アレルギーを起こす恐れや、長年の使用で金属が溶け出し、歯茎が変色する可能性があります。
銀歯
金銀パラジウム合金を主とする金属でできた差し歯です。強度が高いので、主に奥歯の治療で使用されます。金属アレルギーや、長年の使用で金属が溶け出し、歯茎が変色する恐れがあること、また銀色なので、目立ってしまうところが難点です。
保険適用外の差し歯治療の種類
保険適用外の差し歯治療には、オールセラミック、ハイブリッドセラミック、メタルボンド、ジルコニアセラミッククラウンなどがあります。
ハイブリッドセラミック
レジンにセラミックの粒子を混ぜた素材で作られた差し歯です。レジンより自然に仕上がり、強度が高く、また金属アレルギーの恐れもありません。保険適用外の差し歯治療の中では比較的安価なのもメリットです。しかし経年による変色は避けられず、その点がデメリットです。
メタルボンド
金属にセラミックを貼りつけた差し歯です。天然歯のような仕上がりが特徴で、強度が高いです。使用される金属の純度が高いため、銀歯や硬質レジン前装冠などと比べ、金属アレルギーのリスクが軽減されます。短所はオールセラミックには審美性の面で劣る点、また天然歯より強度が高いため、将来的に噛み合わせの歯を傷める可能性がある点です。
ジルコニアセラミッククラウン
白色ジルコニアにセラミックを貼りつけた差し歯です。天然歯のような美しい仕上がりで、汚れが付きにくく、経年による目立った変色も見られません。また強度が強く、金属アレルギーの心配もほとんどありません。デメリットは、オールセラミックに審美性の面でやや劣る点、また天然歯より強度が高いため、将来的に噛み合わせの歯を傷める可能性がある点。差し歯をかぶせる歯をやや大きく削らなくてはならない点です。