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虫歯① 原因No.1は?
やまぐち歯科クリニックの日々の診療の中で、最も多い治療は、『虫歯の治療』です。
虫歯は、C1〜C4までに分別され、数字が大きいほど、多くの組織を破壊していることを意味します。
C0…表層下脱灰(虫歯の出来始め)※治療不要・フッ素塗布
C1…エナメル質に限局した虫歯
C2…象牙質にまで達した虫歯
C3…歯髄(神経)にまで達した虫歯
C4…歯冠部分の崩壊が起きている虫歯
虫歯は大きくなればなるほど、治療が難しいものになります。
虫歯の第一回目は、虫歯の原因を理解し、虫歯を少しでも出来にくい環境を作りましょう!
🙄 虫歯はなぜ患うの? 🙄
虫歯の原因菌は、ストレプトコッカスミュータンスという長い名前の口腔常在菌です。
ただ、この原因菌が歯を食べて、歯を溶かすのではありません。食渣などにより、細菌が活動し、酸を発生させ、その酸によって歯を溶かします。これを石灰化部分の脱落から『脱灰』と言います。脱灰部分は、エナメル質や象牙質の機能を失い、酸への耐久が悪くなり、虫歯の進行を促進します。
😆 ステファンのカーブ 😆
飲食をすると、プラーク(歯垢)中に存在する細菌が口腔内の糖を分解して酸をつくります。その酸が口腔内のpHが急激に低くなり、歯を溶かし始めます。徐々に唾液の緩衝作用で、元のpHに回復します。これをステファンカーブと言います。
口腔内においてこの酸性状態が一時的なものであれば、唾液緩衝能や再石灰化により、虫歯は起きにくいです。しかし間食が多くなったり、一日のうちで酸性状態が長く続くようになると、再石灰化の時間を失い、歯が溶け始めるのです。
虫歯の原因No.1…
👿 『ちびちび飲み・だらだら食べ』 👿
最近、虫歯の原因として注目を集めているのが、ペットボトル飲料や紙パック飲料の『チビチビ飲み』やポテトチップスやチョコレートの『だらだら食べ』です。ちょっと飲んでは置いといて…またちょっと飲んでは置いといて…の繰り返しで、口腔内は酸性状態から抜け出せなくなります。糖類の含むお菓子やジュース・紅茶・コーヒーなどは、なるべく飲食時間を決めて楽しむようにしましょう。
😎 あなたの銀歯は大丈夫? 😎
銀歯や被せ物、差し歯にしているからといって、虫歯にならない訳ではありません。むしろ銀歯の金属の変形によって、歯との隙間ができ、そこから虫歯が出来始めることがあります。
保険の金属の耐久は、人によっての食生活習慣や歯ぎしり状況によって異なりますが、平均して3〜5年と言われています。歯科金属修復物はアロンアルファで付ける訳ではありませんから、取れる・取れないの問題ではありません。金属の変形や腐食が始まる時期という意味の耐久です。変形や腐食した部分からの虫歯は、レントゲン検査や視診・触診でも発見されにくく、過去に一度虫歯で歯を削った所から虫歯になるため、進行が早く症状が出にくいのが特徴です。当院では定期的な金属の交換を推奨しています。また変形やバイオフィルムの形成が起こりにくい、『E-maxセラミックインレー』や『ジルコニアオールセラミッククラウン』などを、虫歯予防の観点からもお勧めしています。
(保険適応の金銀パラジウム合金が歯に応用されているのは、世界中で日本だけです)
【 症例紹介 】
①左下の銀歯は6年前に装着
②銀歯を外すと、虫歯で出来た軟化象牙質を認めます
③虫歯を除去して、型を取り直します
④型取りで出来たものを装着します
金属を入れて6年経過後に保険適応の金銀パラジウム合金の銀歯を外して虫歯治療をしました。左側や真ん中の大臼歯の遠心部分の茶色くなっているのが銀歯の中に出来た二次虫歯です。右側の小臼歯の黒くなっている部分は金属の腐食部分です。
再修復物には材料の変形やバイオフィルムの形成をおこしにくい『E-maxセラミック』を選択した症例です。
(E-maxセラミックインレー/¥50,000)
虫歯予防には、『だらだら食べ』や『ちびちび飲み』の間食が大きく関わっております。
間食を減らすこと、間食の合間にうがいを挟むこと、歯ブラシの回数を増やすことなど、生活習慣改善やセルフケアでも充分に効果があります。
生活習慣を正しく改善し、日々のセルフケアの向上で、虫歯や歯周病予防をしましょう!
詳しくは、当院の歯科衛生士へお気軽にお問い合わせください!
次回は上谷先生が虫歯の2回目を書きます。乞うご期待ください!!
歯科衛生士