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症例紹介(初期歯周病)
2015年02月25日歯科衛生士
こんにちは。
今回は歯科衛生士から、初期の歯周病治療の歯茎の炎症(歯肉炎)の症例を紹介させていただきます。
歯肉炎になると、歯茎からの出血や食事時の痛み、口臭などの症状があります。
また放置していると、将来的な歯周病へのリスクが高まりますので、初期段階での治療がお勧めです。
【症例】
平成26年1月20日(担当医:本多先生)
・ブラッシング時に出血する
・食事時に頼りない感じがする
・ガムなどを噛んでいると痛くなる
を主訴に御来院されました。歯科受診は4年ぶりとのことでした。
口の中を診てみると...
歯と歯茎の境目に大量の歯垢(プラーク)と若干の歯石を認めます。歯と歯茎の境目・歯と歯の間の三角形の部分(歯間乳頭部)に発赤と腫脹があるのがわかります。
まずはブラッシング状況を問診し、生活習慣の改善とともに、正しいブラッシング習慣を指導させていただきました。
★歯垢って何?
歯垢は歯に付着する黄白色の粘着性の付着物です。食渣(食べかす)によって口腔内の常在菌が活動を起こし、その活動による代謝産物が主な成分です。要は、『磨き残し』です。酸を発生させ、虫歯や歯肉炎・歯周炎の原因となります。特に、歯間乳頭部に付着しやすいです。
平成26年1月28日
ブラッシング指導から1週間後。
ブラッシングの改善により、歯垢付着がほとんどなくなりました。
歯茎の腫れが治まり、見違えるように綺麗になりました。
若干の歯石沈着がありましたので、超音波スケーリングによって歯石除去を行いました。
磨き残しの指摘やブラッシング圧の再確認をし、更なるブラッシング技術の向上を図りました。
★歯石って何?
歯垢や唾液から水分が蒸発し、石灰化を起こしたものを言います。歯垢や唾液の細菌成分は凝縮され、細菌の巣窟と化します。歯を支える歯周組織を破壊し、歯周病の原因となります。
平成26年2月28日
スケーリング終了後
スケーリングは2週間おきに2回に分けて行いました。最初のスケーリングでは縁上歯石(歯茎の上の部分の見えている歯石)を、後のスケーリングでは縁下歯石(歯茎の下の見えない歯石)の除去を行いました。
奥歯に入っていた、不良補綴物(古くなって歯垢が溜まりやすくなっていた被せ)を新しいものに交換しました。(保険のクラウン→メタルボンドクラウン)
赤みを帯びていた歯茎は、健康的なピンク色になりました。腫れもなく、とても引き締まっています。この頃になると、ブラッシング時の出血は認めません。ブラッシング時のチクチクした痛みも感じなくなり、歯茎が強くなっているのを実感できます。
平成26年9月10日
6ヶ月の定期検診
若干の歯石沈着は認めますが、歯茎は非常に安定しています。
歯茎の安定によって、自己免疫力や自然治癒力が向上しているのです。
超音波スケーリングとブラッシング確認を行いました。
残念ながら、10月で転勤で東京に行くとのことで...
「また東京でも半年に1回は歯科受診して歯茎の健康を保ちます!」と意気込んでくれていました。
また御来院していただける日を楽しみにしています。
初診時と治療終了時