2017年07月25日インプラント歯科医師

今回は手術についてです。

手術には大きく分けて「１回法」と「2回法」の2つの方法があります。

両者にはどのような違いがあるのでしょうか？

それぞれの長所・短所を知り、自分に合う手術法を選択するようにしましょう。

1回法の治療の流れとメリット・デメリット

1回法とは、手術を1度のみ行う治療方法です。

治療には、歯根の代わりとして顎に埋め込まれる人口歯根と、人口歯と人口歯根を接合する役割を持つアパットメントが一体になっているパーツを使います。

歯ぐきを切開して歯槽骨にドリルで穴をあけ、そこにこのパーツを埋め込みますが、その際パーツの頭の部分が歯ぐきの外に出ている状態にするのが、この治療最大のポイントです。

そのまま3～6月ほど経過を見て、骨と人口歯根がしっかり接合したところで、人口歯をアパットメントに装着すれば手術の完了です。

1回法は1度の手術で済むため、患者さまの心身への負担が少なく、治療期間も短いです。

また2回法に比べて治療費用が抑えられる点もメリットでしょう。

ただし、パーツを露出させた状態で接合を待つため、細菌感染の危険性が少々高まります。

そのため、口腔内の状態が思わしくない方にはお勧めできない手術法です。

2回法の治療の流れとメリット・デメリット

その名のとおり、1次手術と2次手術の2度、手術を行います。

1次手術では歯ぐきを切開し、人工歯根を埋め込みます。

2回法は1回法と違い、人工歯根を歯ぐきでしっかり覆った状態で、骨との接合を待ちます。

その間は約3～6ヶ月です。

骨が接合したら2次手術に移ります。

再び歯ぐきを切開して、人工歯根にアパットメントを取り付け、仮歯か保護キャップを装着します。

歯ぐきの傷が修復したら人口歯をアパットメントに装着して、手術は完了です。

2回法は1回法に比べて治療期間が長く、治療費用が高くなる場合が多いです。

手術が2度にわたるため、その分心身への負担も大きくなります。

しかし感染のリスクが1回法よりも低く安全性が高いため、口腔内や歯槽骨の状態が良くないなど、さまざまな症状に対応できる点が長所だと言えます。

まとめ

インプラントの手術には1回法と2回法があり、口腔内や歯槽骨の状態などに合わせ、どちらかを選択して行う。

・ 1回法の最大のメリットは、心身への負担が少ないこと。

・ 2回法のメリットは感染リスクが低く、安全であること。