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インプラントの素材と安全性
インプラントは埋め込まれてしばらくすると、骨の組織そのものと結合することをご存じでしょうか。
その性質が、インプラントに本物の歯と同じような機能をもたらしています。
でも、骨の組織と結合するなんて体に悪影響でないのかと心配になりませんか?
今回のやまぐち歯科ドクターコラムでは、インプラントの素材についてお話ししながら、安全性をお伝えします。
噛む力を天然歯に代わりしっかり支えることができるのはインプラントだけ
歯根に埋め込まれるインプラント体と言われる人口の歯根には、金属素材チタンが使われます。身近なところでは、金属アレルギーを防ぐピアスの針として使われていますよね。
やまぐち歯科の患者さまもよく驚かれるのですが、インプラント体は歯ぐきに埋め込まれた後時間をかけて、なんと周囲の骨の組織そのものと結合します。
つまり、歯ぐきにネジを埋め込むだけの治療ではないということです。
チタンは生体に親和性が高く安全な素材
骨に金属を埋めて、また骨と金属が結合してしまうなんて大丈夫なのかと不安に思われるかもしれません。
しかし、もちろん安全はしっかり確認されていますからご安心ください。
チタンは生体に親和性があるため、金属アレルギーを引き起こすこともほとんどありません。
そのため、チタンは人工関節など、インプラント治療以外でもさまざまな医療分野で広く活用されています。
研究が盛んに行われ、進化するインプラント体
チタンは拒否反応を起こすことなく骨に結合して、人口歯を支える土台となる、インプラント治療になくてはならない素材です。
そしてこのチタンは、骨とさらにしっかり結合するようメーカーによる研究が進められ、医療用の素材として進化を続けています。
一例としては、インプラント体の表面に研磨剤を付け、接着面をデコボコにすることで骨との結合力を高めた「プラスト処理」や、表面にミクロの孔と酸化層を作り、さらなる結合を促す「ダイユナイト処理」が挙げられます。
また、歯の主成分リン酸カルシウムの一種であるハイドロキシアバタイトをインプラント体の表面にコーティングしたHAインプラントは、通常よりも3~6ヶ月も治療期間が短縮でき、適応症例の幅も広げてくれました。